ホームホワイトニングの講師をされていた先生は、
はじめに上顎なら上顎だけからホワイトニングをすることを
強くオススメしていた。
なぜか?
答えは、
上の歯と下の歯の色が違うことを、患者さんが一目で判ってくれるからだよ。
上顎と下顎を、同時にホワイトニングすると、どうなるか?
初診の時点よりも白くなっているのに、わずかな変化だった場合には、
本当に治療の効果が出ているのか、よくわからないんだ。
これは、歯の矯正でも同じようなことがあるよ。
少しずつ、歯並びが良くなっているのに、毎日少しずつの変化だと、
良くわからないことがあるんだ。
歯列の幅が5mmぐらいひろがって、叢生(歯並びの凸凹)が良くなって
いるのに、「あのー、本当に良くなっているンですか?」とのお伺いを
頂戴するのは、比較的よくあること。
そういうときには、初診のときの歯の模型を、患者さんの顔の横に並べて
較べてもらうと、一目瞭然で、「あー、ずいぶん良くなってますねー」と
安心して頂けるんだ。
あとは、スライドを見せる。僕は、マルチブラケット装置(歯にブラケットを
接着して、ワイヤーを通す、アレ)の患者さんは、かなり頻繁に写真を
撮っているから、毎回の写真を見比べてもらえば、ビジュアルに納得して
もらえる。
そうそう、ホワイトニングの話をしているんだった。主題に戻そう。
で、上顎だけを先行してホームホワイトニングを数週間やってもらって、
効果を確認してから下顎を・・・って言われても、患者さんにしてみれば、
やっぱり早く歯を白くしたいから、上下同時に始めたい・・・
「上と下、同時にやってもらえませんか?」という場合には、
歯の近くに、その色と最も近いシェードガイド(歯の色見本)を並べて、
写真を撮っておけば、時間の経過とともに良くなっていることが、証拠として残る。
もし、あなたが前歯にむし歯があって、レジンという歯の色に近い
プラスチックの一種の材料で治療をしていただいている場合、
ホワイトニングをするとどうなると思う?
天然の歯だけが白くなって、レジンの部分は、当たり前のような感じも
するけど、色が変わらないままになる。つまり、歯の治療をした部分だけが
浮き彫りになるんだ。
↑
これが、自分がホワイトニングを今やっていない最大の理由だよ。
僕の医院では、むし歯の治療をする道具は、置いていないんだ。
だから、ホワイトニングをして、色が取り残された部分のレジンを除去して、
新たな色にやり直す、ということができないんだ。
歯学部の6年目は、丸々1年間、臨床実習があって、
指導教官の指導のもと、実際に患者さんを治療させて頂く。
だから、むし歯の治療は、何十回も行った経験はある。
でも、歯学部を卒業してから17年間というもの、
ほとんど?むし歯の治療はやっていない。
自転車の運転やスイミングなどと同じで、やれば思い出せるのだけど。
数年前、身内のむし歯の治療を、友人の歯科医院で(場所と器材を借りて)
「やれ」と言われてやったけど、メチャメチャ時間がかかりまくって
大不評。ふつうの先生だったら、5分位で終わるところが2時間ぐらい
かかってしまって、面目丸つぶれだったよ。
これと同じようなことを、ホワイトニングをした後に自分でやるのは、
とてもタマラない。自分は、ずっと研鑽を続けてきた矯正だけに
フォーカスした方が良い、と判断したんだ。
今は、ホワイトニング材も薬事認可されて、普通に日本の歯科材料
業者さんから入手することができる。ホワイトニングを導入されている
歯科医院さんも、増えていると思う。
だから、僕がホワイトニングを手がける理由は、全くないよネ。
P.S.
矯正歯科が専門のオフィスで、ホワイトニングを導入されている
先生は、結構あると思うよ。
ホワイトニングは、アメリカの矯正歯科医が、偶然?発見したみたいだよ。
そういった歴史的背景を考えると、矯正歯科医がホワイトニングを
手がけるのは、リーズナブルと言えるかもしれないね。